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日の丸ジェット旅客機への思いと次期戦闘機開発への期待・・2.次期戦闘機開発への期待-①-②

2021.03.14
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久保 英彦
元防衛省研究所部長、元多摩川精機(株)顧問
株式会社TOSAMACHINE 顧問

 

 

2.次期戦闘機開発への期待

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① ついにわが国で最新鋭のジェット戦闘機が国内開発される!
② このプロジェクトへの更なる思い

1.日の丸ジェット旅客機への思い-① ② をご覧になる方は、こちら>>
1.日の丸ジェット旅客機への思い-③ ④ をご覧になる方は、こちら>>

 

① ついにわが国で最新鋭のジェット戦闘機が国内開発される!
2035年頃からの配備を目指して次期ジェット戦闘機を国内開発するプロジェクトがスタートした。開発主体は三菱重工業で、米国のロッキードマーティンの技術支援を受け、エンジンはIHI、機体はSUBARU、レーダーは東芝や富士通、電子戦システムは三菱電機など、様々な国内メーカーが協力する。1970年代にF1支援戦闘機が国内開発されているが、本格的な空中戦闘に対応できる戦闘機としては戦後初めての国内開発と言えるだろう。関連会社からの派遣も含めて500名の技術者チームが結成されたと報じられている。

 

40年以上ぶりの国産旅客機の出現は、航空に関連する産業にとっては悲願であり、先進国家としてのステータスと面子(めんつ)がかかっていると共に、国民的には、今後数十年先にわたって大きな雇用を創出する源泉として期待される。ものづくりの海外移転で産業の空洞化が進んでいる我が国において、航空機産業は、国内に製造現場の多くを残している数少ない分野である。このプロジェクトが再開され、日の丸ジェット旅客機をビジネスとして成功させる意義は大きい。

 

このプロジェクトは、政府が2018年末に作成した中期防衛力整備計画に基づいて2020年度から予算化され、2021年度予算案にも設計費等の予算が盛り込まれている。F2戦闘機は日米共同開発であったが、その後継としての次期戦闘機では長年の念願がかなって国内開発となっている。約90機の生産が計画され、配備までの総事業規模は5兆円を超すとの見方もある。戦闘機の製造に関連する産業の裾野は広く、関連会社は1000社にもおよぶかもしれない。

 

② 現代の戦闘機について
現代における戦闘機の役割は、まず、遠方で探知した国籍不明機などの目標に対して、緊急発進、数万フィートの高度へ急上昇し、短時間で目標に接近して、目標を詳細に識別して対処することである。そのために、超高速で飛行し、加速,旋回,姿勢変化などの運動能力に優れ、自ら目標を捕らえて識別する能力を持つと共に相手のレーダーなどに探知されにくい隠密性(ステルス性)を備える必要がある。

 

戦闘機は、また、陸上や海上における作戦を空中から支援し、低空飛翔で侵入する航空機やミサイルにも対処する。そのために、高高度から急降下して超低高度で飛行して対処する能力なども必要になる。

 

かつては、戦闘機同士の近接した空中戦闘(格闘戦)において優位に立てる能力が最も重要視され、パイロットの巧みな操縦技術と航空機の高い運動能力が追及された。現代では、攻撃手段としてミサイルが主体となり、格闘戦に至る前に、なるべく遠距離から攻撃できる能力がより重要になってきた。そのために遠方で探知できる能力や自らは探知されにくい隠密性(ステルス性)などが並行して重要視されるようになってきた。

 

それでも、戦闘機は、超低高度から高高度まで大空を縦横無尽に最速で機敏に動き回ってミッションを遂行する、大空の最強のヒーローであることに変わりはない。

 

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