tomakichiコラム

tomakichiコラム

日の丸ジェット旅客機への思いと次期戦闘機開発への期待・・2.次期戦闘機開発への期待-③-④

2021.03.29
おもしろい雑学

Author name
久保 英彦
元防衛省研究所部長、元多摩川精機(株)顧問
株式会社TOSAMACHINE 顧問

2.次期戦闘機開発への期待

 index

③ 戦闘機とのかかわり
④ 次期戦闘機の国内開発への期待

1.日の丸ジェット旅客機への思い-① ② をご覧になる方は、こちら>>
1.日の丸ジェット旅客機への思い-③ ④ をご覧になる方は、こちら>>
2.次期戦闘機開発への期待-① ② をご覧になる方は、こちら>>

 

③ 戦闘機とのかかわり
我が国で初めての超音速ジェット戦闘機は、1960年代に米国から導入されたロッキード社製のF104J(Jは日本バージョンの意)である。1966年現役勤めを始めたころ、F104Jを初めてみた。ピカピカの真新しい機体は、見事な流線形で、先端は鋭く尖り、翼が小さく、まるでロケットのようでもあった。有人最後の戦闘機とも言われていた。しかし、戦闘機はその後も進歩を続けて、我が国ではF4(ファントム)、F15、F2、F35と続き、半世紀以上たった今日でも花形の航空機として活躍している。

 

その数年(5,6年)後、幸運にも機会を得て、九州の新田原基地で、そのF104 戦闘機に搭乗したのである。乗せてもらった機種はF104DJ、F104Jの飛行訓練のために操縦訓練の教官も乗れるように複座にした機種である。戦闘機に搭載する装備品の研究開発を担当していた関係で、体験搭乗という研修のためであった。

 

滑走路を走る段階からその速さと加速に圧倒され、離陸後は急上昇を始め、頭も身体もシートに貼り付けられ、まるで真っすぐ垂直に上昇して、地球を脱出しつつあるかのような感覚であった。搭乗したそのF104DJは、他のF104Jの訓練ための目標機としてのミッションであったらしいが、時折旋回し、その旋回加速度でヘルメットがコックピットに押し付けられて持ち上げられないことがしばしばあった。ミッションが終わって着陸前に、私の郷里である四国高知県の清水市あたりのはるか上空をかすめて飛んでくれたが、速度が速くあっという間の出来事であった。

 

生涯忘れることができない感激を受けた貴重な体験であった。この体験が実現したのは、もう他界して久しい大先輩Y氏のご尽力の賜物であった。その人は、旧海軍の「零式艦上戦闘機(ゼロ戦)」の、小説に実名で出てくるほどの、名パイロットの一人であって、戦後の航空自衛隊の戦闘機部隊創設の功労者でもあった。たまたま縁あって同じ研究所で数年勤務されたときに、このような研修を計画され、私も参加させて戴いたのである。豪放で明るく愉快な方で、公私ともに親しく楽しく交歓させていただいた。彼による一言、“勇将の下(もと)に弱卒なし”。

 

この時以来、私は戦闘機ファンになった。

 

④ 次期戦闘機の国内開発への期待
最新鋭の戦闘機を開発するためには、航空機技術,材料技術,エンジン技術,制御技術,ステルス加工技術などの航空機本体に関する技術に加えて、各種センサ、通信、情報処理などの種々の搭載機能のための技術において、最高レベルの技術を必要とする。これらの技術を駆使して、想定される厳しい広範囲な運用環境において、多様な運用(マルチロール)のミッションを高いレベルで達成できる、コンパクトで軽量かつ安全性の高い戦闘機にまとめ上げるためには、最高クラスのシステム技術を必要とする。

 

我が国おいて、構成技術のほとんどは十分達成できる技術レベルにあると考えられるが、戦闘機としてまとめ上げるシステム技術については、戦闘機開発の経験が少ないということが気がかりになる。そこを補うために、経験豊かな先進諸国の技術支援を受けるのであろう。

 

難度の高い開発となるかもしれないが、不可能ではない。我が国の航空機産業にとっても新しい分野を開く絶好の機会であり、1000社にもおよぶ企業が参加して、10年以上かけて挑戦する一大国家的事業である。

 

我が国の産業全体、特に製造業の振興のためにも、我が国の未来を担う若者に対して大きな雇用を創出するためにも、このプロジェクトの着実な推進を期待している。

 

戦闘機ファンの一人として、出来上がった戦闘機が、諸外国生まれの戦闘機に比べて、わが国らしい特徴がどのように表現されるかが楽しみである。

 

【同じシリーズ:次へ】
次回「3.結びに代えて(独り言)」をお楽しみに~。
おもしろい雑学コラム一覧
tomakichiコラム一覧
new
切削加工のワンポイント 温度上昇と工具寿命の関係

切削お役立ち情報 No.26 火は、人間の生活にとって、欠かすことのできないものです。 人類の歴史を紐解いてみると、全ての時代を通じて、人の営みを支えてきたのが、火であることに気が付くでしょう。 今は…

2021.03.29 続きはこちら
new
精密機械加工 マシニング加工とは?旋盤との違いや加工可能材料についてご紹介!

マシニング加工とは? マシニング加工とは、マシニングセンタを使用し、材料を切削する機械加工のことを指します。 マシニングセンタでは、ATC(自動工具交換機能Automatic Tool Changer…

2021.03.29 続きはこちら
new
工具の再研磨 エンドミルの外周刃とは?外周刃の再研磨する方法もご紹介します!

皆さんはエンドミルの再研磨についてどれだけご存知でしょうか。 普段使用している切削工具は、摩耗による切れ味の悪化が製品の品質に左右されます。 そのために、再研磨は再び使用できる状態に修復することで、 …

2021.03.29 続きはこちら
工具の再研磨 切削工具のドリルを再研磨するタイミングとは?

切削工具の再研磨をするか否かを判断するのは非常に難しいです。 工具の刃先がボロボロの場合や海外製の工具である場合など様々な場合が考えられます。 そこで今回は、工具の一つであるドリルを再研磨をするタイミ…

2021.03.29 続きはこちら
切削加工のワンポイント 切削条件と工具寿命の関係

切削お役立ち情報 No.25 さて、これまで切削条件について、お話をしてきましたが、今回は、アプローチを変えて、化学の話をしたいと思います。   全ての物体には、融点・沸点というものがありま…

2021.03.29 続きはこちら
おもしろい雑学 長野県飯田市での勤務と生活(回想)・・・1.飯田での住まいと通勤の始まり

  Author name 久保 英彦 氏 元防衛省研究所部長、元多摩川精機(株)顧問 株式会社TOSAMACHINE 顧問 「長野県飯田市での勤務と生活(回想)」シリーズ・ <<…

2021.03.29 続きはこちら
切削加工のワンポイント 加工条件~送りについて

切削お役立ち情報 No.24 切削加工とは、工具を押し付け、金属材料の表面を剥ぎ取るようにして削る方法です。 前回も同じことを書きました。   りんごの皮むきを例に説明しましたが、今回も同じ…

2021.03.29 続きはこちら
みやちゃん ものづくり「いつかは、クラウン・・」①

むかし・・「いつかはクラウン・・」に・・乗ってみたい・・乗りたい 若者が大人になったらと・・夢を持てるそんなCMを思い出しました。 では、現在の若者達は・・何でしょうか・・? LEXUS・・? 気にな…

2021.03.29 続きはこちら
切削加工のワンポイント 周速の変化 ~フライス・ドリル編

切削お役立ち情報 No.23 前回は、周速を求める公式、周速(V) = ワークの直径(D)×π ×回転数(N) ÷ 1000 を使って、 旋盤加工での周速の変化を説明しました。   今回は、…

2021.03.29 続きはこちら
切削加工のワンポイント 加工条件について考える ~周速の変化~

切削お役立ち情報 No.21 前回、周速を求める公式、周速(V) = ワークの直径(D) × π × 回転数(N) ÷ 1000 の解説をいたしました。   今回は、切削加工中の周速の変化、…

2021.03.29 続きはこちら
おもしろい雑学 長野県飯田市での勤務と生活(回想)・・・プロローグ

Author name 久保 英彦 氏 元防衛省研究所部長、元多摩川精機(株)顧問 株式会社TOSAMACHINE 顧問   プロローグ 還暦を迎えた年(2002年)の3月、国家公務員を定年…

2021.03.29 続きはこちら
みやちゃん 持ち帰った「りゅうぐうの石」

2014年12月3日に打ち上げられた小惑星探査機「はやぶさ2」は、2018年6月に 小惑星「リュウグウ」に到着。2019年末にリュウグウを出発、2020年12月6日地球に帰還。 その目的は、地球の水は…

2021.03.29 続きはこちら
切削加工のワンポイント 加工条件について考える ~周速とは

切削お役立ち情報 No.20 前回、旋削・転削加工の違いについて解説しましたが、どちらにもに関係してくる「切削条件」について、解説致します。「切削条件」の中で、今回取り上げるテーマは「周速」です。加工…

2021.03.29 続きはこちら
みやちゃん 梅雨明けが待ち遠しい

梅雨の合間の青空に誘われて、TOSAMACHINEから車で約20分東に走ると 夜須の浜辺です。丁度昼時、昼休みを利用?してベンチでランチ、家族連れ、 友達同士で散歩、ビーチバレーで汗を流す若者達などな…

2021.03.29 続きはこちら
おもしろい雑学 野原の春秋(小百姓のちょっとした考察)・・・5.忍び寄る過疎化、野原の行く末は?(勝手な推量、蛇足)

Author name 久保 英彦 氏 元防衛省研究所部長、元多摩川精機(株)顧問 株式会社TOSAMACHINE 顧問   「野原の春秋(小百姓のちょっとした考察)」シリーズ・・・「4.変…

2021.03.29 続きはこちら
切削加工のワンポイント 旋削・転削とは。。。

切削お役立ち情報 No.19 今回からは、加工条件について基本的なことを解説してまいります。 「もう知ってるよ」「何を今更…」と思われるユーザー様もおられるかと思いますが、お付き合いください。 「切削…

2021.03.29 続きはこちら
切削加工のワンポイント 超硬以外のチップ材質まとめ

切削お役立ち情報 No.18 これまで様々なチップ材質について解説してきましたが、高硬度材加工に適したのは、どの材質だったでしょうか。 そうです。CBNです。 数回にわたって、材質毎に異なった特性があ…

2021.03.29 続きはこちら
高知県専門工事 工場の暑さ対策進んでいますか?

機械稼動数の多い工場ほど機械が稼働した際に熱エネルギーが多く工場内に 多く放出され、それが機械自体に熱を帯びさせてしまうために、 室温は上昇しやすくなります。特に機械稼働数が多い工場などでは、 日射熱…

2021.03.29 続きはこちら
おもしろい雑学 野原の春秋(小百姓のちょっとした考察)・・・4.変わり種の出現にも負けず

Author name 久保 英彦 氏 元防衛省研究所部長、元多摩川精機(株)顧問 株式会社TOSAMACHINE 顧問   「野原の春秋(小百姓のちょっとした考察)」シリーズ <&l…

2021.03.29 続きはこちら
みやちゃん 焚き火台

先日のtomakichiコラム初めての買い物 - tomakichi (トマキチ) - ものづくりサポートセンター で紹介した愛知の自動車部品メーカー(有)キクチエンジニアリングさんの焚き火台を 吉野…

2021.03.29 続きはこちら
切削加工のワンポイント 切削工具と陶磁器

切削お役立ち情報 No.17 サーメット、CBN、ダイヤモンドに引き続き、超硬以外の材質、今回はセラミックス(Ceramics)の説明です。 セラミックスとは、広義には、陶磁器全般を指しています。一般…

2021.03.29 続きはこちら
精密機械加工 図面の書き方・見方【入門編】

入門編では部品を立体から平面図の作成・平面図から立体図の作成です。 まずは前・上・横から見た図経緯を書くと それぞれ長方形、長方形、正方形に見えます。 つまり立体的に見ると四角柱となります。 このよう…

2021.03.29 続きはこちら
みやちゃん 光が生命に変わるとき・・②

わたしが小学生の時(昭和32年頃)、通学路に息が出来ない程の悪臭と真茶色の小川が 流れていました。でも、当時はそれが当たり前のように思っていたのです・・ 多分地元の方も慣れていたのでしょうか・・? 実…

2021.03.29 続きはこちら
切削加工のワンポイント ダイヤモンドは永遠の輝き

切削お役立ち情報 No.16 「ダイヤモンドは永遠の輝き(A Diamond is Forever)」とは、デビアス社が打ち出した有名なキャッチフレーズです。現在では、世の女性の憧れであるダイヤモンド…

2021.03.29 続きはこちら
みやちゃん 初めての買い物

先日NHKニュースで紹介された愛知の自動車部品メーカー(有)キクチエンジニアリングさんの キャンプ用具「焚火台」を買い求めました。 コロナ渦の中、持ち前の金属精密加工技術と趣味を活かして開発したとのこ…

2021.03.29 続きはこちら
高知県専門工事 雨漏りの発生原因と修理の費用相場とは?

6月から梅雨の季節が到来します。 建物にとってこの季節は天敵とも言える季節でございます。 連日の雨によって建物へのダメージが蓄積し、老朽化と錆の発生による突然の雨漏りに発展してしまいます。 梅雨時期に…

2021.03.29 続きはこちら
おもしろい雑学 野原の春秋(小百姓のちょっとした考察)・・・3.人間の係わり-里山的野原の平和の維持

Author name 久保 英彦 氏 元防衛省研究所部長、元多摩川精機(株)顧問 株式会社TOSAMACHINE 顧問   「野原の春秋(小百姓のちょっとした考察)」シリーズ <&l…

2021.03.29 続きはこちら
切削加工のワンポイント 高硬度な被削材に対応したCBNとは?

切削お役立ち情報 No.15 前回は、サーメットについて解説しました。 今回は、さらに硬い工具、CBNについてのお話です。まず、根本的な問題として、なぜ切削工具(またはその刃先)は高硬度でなければなら…

2021.03.29 続きはこちら
みやちゃん 逆風、向きを変えれば追い風に・・

(昭和を残す55番街・・高知市)↑ 最近Amazonで見た「ジャッジ」の1セリフ・・ 「逆風も向きを変えれば追い風になる・・」ゴルフでは、アゲンスト・・ホローと 風がプレー(上手くなればなるほど😅)に…

2021.03.29 続きはこちら
切削加工のワンポイント サーメット工具の特徴と使い分け

切削お役立ち情報 No.14 前回は、サーメットを構成する成分についてお話しました。 今回は、さらに詳しいサーメット工具の特徴を説明していきたいと思います。<サーメット開発の背景> 歴史は、第二次世界…

2021.03.29 続きはこちら
tomakichiコラム一覧
カテゴリー
最近のコラム
tomakichiちゃんねる
オンライン商談も承ります
詳しくはお問い合わせください