tomakichiコラム
製缶加工とは?特徴とメリット・デメリットについてご紹介
製缶加工とは?
製缶加工とは金属板を曲げたり切断したものを立体的に組み上げる技術のことです。
部分的に機械加工を用いることも可能ですが、機械化が進む現代でも職人が手作業で行っている部分もあります。
ですので、均一な仕上がりというよりも職人の技量によって品質が異なってきます。
金属それぞれの特性を理解した職人が行うことで精度と強度が保たれるのです。
次に製缶加工を行う際の8つのステップについて解説しましょう。
1:設計
製品の図面設計をしますが、この際に重要なのはコストを抑えながら価値を高める、VA・VE提案です。
これを実現させるためには設計の段階から考慮する必要があります。
2:切断・切り抜き加工
素材から必要な形状を抜き取る加工方法です。
製品の素材や完成形によって使用する機材を選ぶことが重要です。
3:曲げ加工
型の上に金属板を設置し、金属を折り曲げながら加工します。
実は曲げ加工は繊細な技術なので、素材に負担のない技法を選ぶことが重要です。
4:溶接
この工程では2つ以上の金属を接合させます。
ここでも素材や用途に応じて加工の種類を選びましょう。
主に使用する機器は不活性ガスのみを使用するMIG溶接と、不活性ガスを噴出させて無酸素状態にした状態で使用するTIG溶接です。
5:穴あけ加工
部品をはめ込むためのボルトなどを固定するための穴をあける工程です。
ドリルをボール盤に取り付けて行ったりマシニングセンタで行われることが多いです。
6:機械加工
工作機械を用いて精密な加工をする工程です。
素材を削りながら理想の完成形に近づけていきます。
7:研磨加工
部品の表面を磨いて素材に艶を出します。
この工程を経ることで、加工処理の跡を目立たなくできます。
8:表面処理
素材の表面に被膜を形成する工程です。
被膜が形成されることで耐食性や導電性、耐熱性などの機能が付与されます。
また着色も可能なので、デザイン性を追加したい際にも使用されます。
製缶加工と板金加工の違いについて
板金加工も金属板に力を加えて変形させる加工方法なので、製缶加工と混同されることが多いです。
しかし、両者の加工方法は厳密には異なるので、加工する素材や完成形に応じて使い分ける必要があります。
両者の最大の違いは扱う金属の厚さにあります。
製缶加工は板厚が厚いもの(7mm以上)を加工できるので、建物の鉄骨やタンクなどを製作するのに向いています。
また金属板を曲げて上記で紹介したような工程を経るので、アルミニウムやステンレスを用いて立体的で複雑な形のものを作れます。
一方で板金加工は合金から非金属まで幅広い材料を扱えますが、主に薄い金属板(7mm以下)を使います。
曲げたり溶接したりという加工を施すのは同じですが、金属の厚さに違いがあるということです。
製缶加工のメリットとデメリット
最後に製缶加工のメリット・デメリットをご紹介します。
メリットは強度の高い筐体(きょうたい)構造物を作れることです。
筐体とは機能を持つ機械や電気機器などを収めた箱のことを言いますが、ある程度の厚さの金属板を加工できるという特徴がここからも分かります。
さらに比較的大型のものも対応できるというメリットもあります。
デメリットは板金加工とは大きさと用途が異なるため、違った知識や技術が必要になることです。
上記でも触れましたが、製缶加工は手作業による作業もある程度必要でしたね。
そのため特別な知識や技術が必要になることや、大量生産をするのに向いていないというデメリットがあります。
また、大型で重量がある製品を扱うので、自動化が難しいという点も短所かもしれません。
自動化が困難ということはその分製作コストがかかってしまうからです。
精密機械加工のことなら「ものづくりサポートセンターtomakichi」まで!
今回は、製缶加工の特徴とメリットデメリットついてご紹介しました。
製缶加工とは金属板を加工したものを立体的に組み上げる加工方法です。
強度が高く大型の構造物を作成するのが可能という点が最大のメリットでしょう。
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