tomakichiコラム
ドリルの名称と名前の由来
切削お役立ち情報 No.47
◆チゼル
ドリルの先端部は、加工中、切削速度が0m/minになります。その為、被削材を押し潰す様な形になり、切削抵抗の50~70%をこの部分が発生させています。英語でChiselと書き、のみ、たがねの意味があります。
◆マージン
ドリルの最外周部になり、加工径を左右する箇所です。また、加工時は、ガイド機能を果たす為、マージン幅が大きい程、穴精度や加工面精度が良好になる傾向があります。ただし、ワークとの接触面積は広がる為、切削抵抗の増加に繋がるため、大きすぎるのも問題です。英語で Marginと書き、へり、ふちの意味があります。
◆シンニング
通常、ドリルには、チゼルという切れ味が鈍く、被削材に押しつけるように切削してしまう部分が存在します。当然、切削抵抗が高い(スラストが高い)ドリルは進入しにくくなります。そのため、この部分に切れ刃を設け、切削抵抗を軽減することがシンニングの役割です。英語でThinningと書き、薄くする、細くする意味があります。芯厚を薄くしていることから来ています。
◆もう一つのドリル
ドリルのもう一つの意味に「反復練習、訓練」の意味があります。ドリルはぐるぐる回転しますが、この動きが反復練習として、知識を深めることに似ているというのが由来です。
◆ドリル加工はキリと表記される
上図のように、図面では穴加工を「キリ」と表記します。これは、木工作業で使用する錐(きり)に由来しています。
次回は、「センタリング(もみつけ)の角度」についてです。
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